ねぇ、松風くん。



「…あ、松風 葵。」


体育館に足を踏み入れようとした俺をフルネームで呼ぶ声。

「………。」


「…俺は、優ちゃんが好きだよ。」


振り返った俺に聞こえたのは成宮の声。


「…だから?」


それを俺に伝えてどうしたい?
自分で自分の声の低さに驚いた。


「スポーツ大会、お前にだけは負けられない。」

”勝って優ちゃんは俺がもらう”そう繋げられた言葉に少なからず心臓は変に加速を始める。


しかし、それがなぜか分からない。

「…勝手にしろよ。」


俺には佐々木さんが誰と付き合おうと関係ない。佐々木さんが成宮を選ぶのなら、それは佐々木さんの自由。