ーーーその頃の葵は
「嘘つけ!何かあっただろ!吐け!」
「…しつけぇ。」
”何もない”3度程同じ返答をしてみたが、直斗は疑いの眼差しを一向に緩めない。
「だ、だって、あの優ちゃんが、葵にあんな態度とるなんて何かあったとしか考えらんねぇだろ。」
……俺が1番驚いてるっつーの。
ここ最近ずっと、避けられている。
あの告白された日…佐々木さんならきっと次の日にはケロッといつも通り話しかけてくれるだろう、なんて甘いことを考えていた。
しかし、現実そう甘くない。
廊下ですれ違っても挨拶どころか目も合わないし、何かの拍子に目が合えばすぐに逸らされてしまう。
バイトで話し掛けようと試みれば、シフトは見事に被らない。
…確実に姉ちゃんと組んでるとしか思えない。


