教室の前まで来た私は、菜穂の手を解放する。
「ったく、避け方 下手くそか。」
「ごめん。」
だって、さっきのは予期せぬ遭遇だったんだよ。何の構えも出来てなかった。
それに、松風くんから話かけてくるなんて予想外すぎて心臓止まるかと思った。
「あ!優ちゃん発見〜!」
「っぅわ!って…潤くん。」
いきなり肩を組まれて変な声が出てしまった。いつも潤くんは突然現れる。
「女子は交代なのか!一緒にバスケやりたかったな。」
「あ、潤くんもこれから体育館で練習?」
ジャージを身に纏っている潤くんを初めて見た。やっぱり顔が整ってさえいれば、こんなダサいジャージですら着こなせてしまうのか。


