ねぇ、松風くん。



”試合、応援に来てね”って、いつもの笑顔を見せた潤くんは先に階段を昇って行ってしまった。


たった数分の出来事だったのに、内容が濃すぎてぼーっとしてしまう。


ーーーーガタン


自販機でジュースを買った松風くんは、取り出し口からジュースを取り出すと、視線を私に向けた。


「…初めて告白現場に遭遇した。」

「わ、私も…。」

少しだけおどけて見せた私に、松風くんは”佐々木さんモテるね”と続けてペットボトルのキャップを回した。


「全然…私なんか。」

「…スポーツ大会、あいつバスケだろ。」

「あ、うん。そうみたい。」


”なら、俺と当たるかも。”と呟いた松風くんは少しだけ何かを考えるそぶりを見せたあと、


「俺らのチーム、負けようか?」


耳を疑うような言葉を発した。

それは、つまり。

”俺らのチームが勝ったら、優ちゃん俺と付き合って。”


それは、つまり…私に潤くんと付き合えって言ってるようなものだ。