━━━━━それから2週間。
佑梨からは全く連絡が来ることなく過ぎていった。
いつもなら2週間も空けば俺の方から連絡をして、食事にでも誘ったりする頃だ。
でもそれが出来なかった。
最初の1週間、ずっと佑梨のことを考えていた。
あれからどうなったのか。
彼女は少しでも立ち直ったのか。
それとも仕事が忙しくてそれどころじゃなくなったのか。
もう泣いてなければいいけど……。
自分と同じような境遇で、同じように長年一人の人を想い続け、通い合うことのなかった佑梨は、まるで鏡に映る自分を見ているような気分にさせられる。
彼女に連絡出来なかったのは、いつまでも過去の恋愛を引きずる佑梨を自分と重ねて見てしまいそうで怖かったからだ。
自分の女々しさと依存ぶりを目の当たりにするみたいで、だから彼女に連絡をすることが出来なかった。
だけど……。
だけど、もしも。
もしも、彼女が一人ぼっちで泣いていたら?
寂しがっていたとしたら?
そこまで考えて、ブンブンと首を左右に振った。
なに考えてるんだ、俺は。
一瞬でもそばにいてあげたいと思ってしまった自分に驚いた。
弱って泣いてる女なら誰でもいいってことなのかな。
それとも━━━━━。
「望月、こっち持ってくれないか?」
ふと聞こえた先輩の声で、ハッと我に返る。
そうだ、仕事中だ。
梱包作業中の木製の3段ラックをその場に置いて、「はい」と返事をして移動した。



