沙織の結婚式まであと3ヶ月━━━━━。
結局、佑梨の代わりになるような『偽恋人』を探す気にもなれなくて、自分のあるべき姿に戻った気がした。
本来の、惨めな姿。
この姿を沙織に見せたら、彼女はきっと眉を寄せて俺を心配するんだ。
「1人は寂しくない?大丈夫?」って。
仕事の帰りに、いつものように定食屋で日替わり定食をかき込み、家路につく。
アパートに帰り、部屋の電気をつける。
パッと明るくなった部屋に、少しばかり目がくらみながらカーテンを閉めた。
蒸し暑いのでエアコンをつけて、冷房を強めに効かせる。
ドサッとベッドに寝転んで、何気なくポケットから携帯を取り出して画面を確認した時、見間違いかと思った。
『着信1件』
佑梨か?
飛び起きて詳細を見てみると、予想とは違った人からの着信だった。
『尾野沙織』
なんで、どうして?
また何か話したいことでもあるのか?
それとも結婚式のこととか?
あまりいい予感はしなかったけど、およそ30分前の着信履歴をずっと眺めているわけにもいかなかったので折り返し電話をかけた。



