真っ直ぐに帰宅し、玄関の扉を荒々しく閉じる。

はあ、と一つ息を吐く。

私の家は広くて綺麗だけど、空気はとてつもなく薄い。


ママはまだ仕事かな。
パパはまた今日も遅いのかな。

キッチンのテーブルには千円札が3枚に、小さなメモ。

“夕飯はこれで何か食べてね”

よくある共働きの家庭。
寂しいだなんて、思うことすらもう面倒だ。

私は置いてあったお札を掴み、コンビニに向かった。