虹色ファインダー


翌朝目覚めた私がキッチンへと下りると、一瞬足が止まった。

そこには和やかに朝食をとるママとパパの姿があった。

罵り合うでもなく、睨み合うでもなく、ただ微笑み合う二人。


「あら綾香、おはよう」

「お前も早く食べなさい、綾香」


私は少し不器用に笑い、小さく頷いた。


「うん!」


どうやら私達三人はこれからも家族で居られるようだ。

一度切れた糸はもう戻らないと思っていたけど、結び直せばまた繋がる。

サックリ焼かれたトーストはほんのりと甘かった。