虹色ファインダー


もっと早く行動していれば良かったのかな。

私が少しでも動いていれば、何か変わったのかな。

視界がなんだかぼやけ始めて、だけど両親の姿はまだくっくりと浮かぶ。

青い空にかかる虹が、ちょうどまるでママとパパをつなぐみたいに。


心はじんわりと温もり、だけどほんの少しチクリと痛む。

私はポケットにあったデジカメを取り出し、震える指でシャッターを押した。

そうしてファインダーの向こう側にある、虹色の光を切り取った。