ファインダー越しに見える、少しオレンジがかる空。 好きになる。 最高に愛しく…… 好き。 好き、好きだー。 好きだっちゃ。 次第に青みが増して、辺りは暗くなってきた。 やっぱり難しい。 思い込むだけじゃダメなんだ。本当に心から愛しいと思えなきゃ。 私は暮れてしまった空に一つ息を吐くと、足早に家路に着いた。 家に帰るとママが一人でリビングのソファにもたれていた。 ぼんやりと一点を見つめるママ。 私は目を背けるようにして階段を静かに上がった。