虹色ファインダー


奏次郎の写真は人や動物の写ってるものが多い。

ここに写ってる人達のこと、奏次郎は好きだと思ったのかな。
こんな、名前も分からないような異国の人達のこと。


「人間の写真が多いけど、みんな好きだったってわけ?」

「撮ってる時は最高に愛しいと思ってたさ。人に限らず景色や何かもな」


そう言った奏次郎はすごく幸せそうな顔をしてた。
愛のある人の顔、そんな感じに見えた。

私は、人を愛しいだなんて思わない。汚くて、見たくないものだ。

そう思う私は、人間の写真なんて一生撮れそうにないな。