クリスマスが過ぎて、次の日から毎日のようにフィンに手紙を書いた。


 貰ったペンで手紙を書き終わると、文字がふわふわと浮かんで空に飛んでいくのだ。


 そして、朝になるとフィンからの文字が紙に届いてる。


 気が向いたらなんて言っていたけど、毎日ちゃんと返事を返してくれた。



「近づいてフィンは私のこと嫌になったのかな……」



 手紙には日常のことばかり書いた。聞きたいことは沢山あったけど、質問ぜめにして嫌われてクリスマスに見えなくなってしまったら困る。


 やっと手に入れた通信手段で、フィンの日常が綴られ返事。ブリクセンがマフラーを気に入って洗濯させてくれないとか、じいさんのマッサージをさせられて疲れただとか。


 彼を身近に感じることが出来るだけで十分だった。


 それに彼女がいるだとかそんな内容のことは一切なくて、私も特別にフィンへの気持ちを綴ることはしなかった。


 ただ、毎日かかさず書いていた手紙も体調を崩して書けない時があった。私が手紙を送らないとフィンからは手紙が来ない。


 だから好きだと書いたら、フィンは困って手紙を返さなくなると不安になったのだ。


 自分の一方通行な気持ちが露見した気がして落ち込んだけど、すぐに諦められるような簡単な思いじゃない。



「なんせ4歳のころからずっと思ってる。なにも聞かないまま終われないよ」



 私はめげずに手紙を書いた。書けばフィンから返事がある。
クリスマスに会えるまで頑張らなくちゃと、毎日とりとめのない日常を綴る。


 そして去年のクリスマスに私はフィンに気持ちを伝えた――