彼は夢人

「ここ学校のわけないし!」


「はぁ?お前寝ぼけてんのか!またでこぴんしてやろうか?」


何言ってんの、この人。
頭おかしいんじゃない?私が寝ぼけてるとか、何よ…。


こうなったら、夢の中の彼か確かめようじゃない!!


「あ、あの…
あなたは私の夢の中に現れる人ですよね?」


「は!?お前さっきから何言ってんの?
俺とどっかで会ったことあるっけ?」


それを言うのはこっちのセリフだっつうの。
上から目線過ぎて、夢の中のあの優しい彼と、瓜二つも似つかない。



「はい、ありますけど?夢の中で
さっきだって子供みたいに、お腹すいた~とか何とか言っちゃって
ふふ」


「ダメだ、こいつ

ちょっと先生ーさっきから見てないで、何とか言ってやってくださいよ

皆も黙ってないでさ」


はぁ~とため息を溢した彼は、一番後ろの廊下側から二番目にある、私の隣の席に腰を下ろした。

かったるそうに先生をじーっと見てる。


早くこの場から逃げたい。
いや、いっそのこと隠れたい。




私の名前は桜井咲(サクライ エミ)高校二年生。
一ヶ月前から毎晩のように夢を見るようになった。

セミロングヘアーに色白の肌。
恋愛経験が少ない。

勉強はそこそこ出来る。
大のミステリー好き。


今私の身にピンチが起こっている。