体育大会は閉会式を迎え、優勝は蘭と乃季の居た赤色に決まった。

乃季は俺を見て、申し訳なさそうに眉を下げる。


「優勝おめでとう。蘭、乃季」


紀香とあきの居た青色が二位。
親友Tと俺の居た黄色が最下位だった。


「さぁ乃季! 罰ゲーム代わりにやってくれよー」


「ごめんなさい、許して下さい! 國枝先輩の考えた罰ゲームなんて怖くて受けられません!」


嫌がる乃季は、ジリジリと数歩下がる。
この子犬の様に怯える顔を見ていると、もっと虐めたくなってしまう。


「國枝ーーー!!」


「んっ? あれ、深町。どうした?」


声が飛んできた方を振り向くと、げっそりと頬がこけ、疲れ果てた様子の深町が立っていた。