あの日、雨と傘と君と


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『高杉さんじゃなくて、純でいいから』


頭の中をその言葉がエンドレスリピート。


個室に戻ってからも、さっき彼が私の耳元で言った言葉が頭から離れない。


ーそういえば少女漫画みたいなセリフ言ってた。
  『こいつ、俺のなんだけど』


ー私のこと一回だけ“紫雨”って言ってた。


ーあ、後ろから抱きしめられてた。


頭の中を整理すれば整理するほど恥ずかしさで顔が熱くなる。


変な男の人達に絡まれて、ちょっとだけ良かったかも、なんて考えちゃう。


ほんとに怖かったけど。