あの日、雨と傘と君と


「こいつ、俺のなんだけど」


男たちの進む方向とは逆方向に、後ろから誰かに引っ張られた。


私の身体は男によりかかる形になってしまう。


いや、後ろから抱きつかれてる感じ?


この声、なんか聞いたことあるような。


紫雨は何が起こったのかよく分からないまま、後ろを見た。


そこには…


「高杉さん!?」


がいた。



「なんだよお前」


男達は彼に向かって低い声と、気にくわない表情で喧嘩を売る。


でも、そんなのおかまいなしに、紫雨は混乱していた。


なんで高杉さんがいるの?


しかもさっき『こいつ、俺のなんだけど』って言った…?


もう分けわかんないよ。


「だから、紫雨は俺のもんだって言ってんの」


いつもより低い声で、いつもは笑顔が可愛いけれど、今は男らしいというか…。


かっこいい…。


こんなときまで、この距離、彼全部にドキドキしてる私って、おかしいかな?


てか、し、し、紫雨!?


紫雨って言った!?