あの日、雨と傘と君と



その後も二人でたくさん歌って、

休憩なんて挟まないでずっと笑ってたから、


もう喉からっから。


「私喉かわいたからジュース取ってくるね」


「私もー、メロンソーダ!」


はいよー。と返事をして、部屋のドアを開けてすぐそばのドリンクコーナーへ向かう。


咲奈はメロンソーダ、私はオレンジ。


ボタンを押してジュースを出していると、ドリンクコーナーにチャラチャラした数人の男達が来た。


髪の毛も染めてて、ネックレスとか付けてて、とにかくチャラい。


…なんか嫌だな。


と思って、グラス2つを急いで持って部屋に戻ろうとしたら、慌てたせいで


どんっ。とその男たちの中の一人、特に一番リーダー的な人にぶつかってしまった。


ーどうしよう。


「あ、…すいません…」


そのまま逃げ切ろうと思ったら、


「ちょっと待ってよー」


と、ぐいっと腕を引っ張られた。



「ぶつかったところ痛いんだけどー。かわりにいっしょに遊ぼうよ」


ゲラゲラ笑いながら私に近づいてくる。


やだ。気持ち悪い。


香水臭い。


嫌だ。嫌だ。嫌だ。


振りほどこうとしても、振りほどけない。


怖くて足も一歩も動けない。