昔むかし、あるところに……


何をするにも、やる気が………




「それ、もういいから
分かってるから

俺のことでしょう〜
分かってるから〜

もう、そんな自己紹介とかいらないから〜

めんどいし、聞きたくないし
一度聞けば分かるっつうの〜」





「糞王子

自己紹介くらいしてください


これを見てくださっている人は

あなたの名前すら知らないまま読むのですよ?


ふざけてないで、さっさと自己紹介してください」






ソファで横になりながら、テレビゲームをしている………

パジャマ姿で頭はボサボサ……


まるでニートのような男が気怠げに話していたら……



ソファの後ろから、そんな男を見下ろしている……


キッチリと服装を整え、なかなかのイケメンな男が

ニートのような男に話しかけていた






「えぇ〜

怠い〜
めんどい〜
やる気ゼロ〜

ミィたんやってよぉ〜」




「ミィたん…は、やめろって何度も言ってんだろ、クズ


さっさとやれ

土の中に埋めるぞ」






ニートの男は、イケメンな男の方を見ず
テレビゲームをやりながら、茶化すように言った


イケメンの男は、そんなニートの男の言葉にキレたようで口調が荒くなり顔も物凄く怖くなった






「はぁ………ミィたん…マジ怖す…


はぁ〜い

みんな、初めまーしーてー


この国の偉い人でぇ〜す

えっ?誰だって?


えぇ〜

本当は分かってるくせに〜


はい、じゃあ言ってみようか!

せぇーのー


王子〜 ♪


はい、大正解〜

そうでぇ〜す


俺、王子でぇ〜す


王子しちゃ……「うぜぇ、名前言えや
糞王子」


…………はい、怖い顔の俺のお守役の執事が言うので言いまーす


えっ?知りたくない?


んじゃ、教えな……「いい加減にしろ
マジ埋めんぞ」



…………はい、俺の名前は

ルトワールって言いま〜す


気軽に、ルトって呼んでね〜 ☆」







執事の男は、ニートの男………ルト王子の態度にムカついたのか、ルト王子の両頬を鷲掴むと般若のような顔で睨んだ


その睨みは、まさしく鬼のような怖さだった







「チッ。うぜぇ

マジ殺してぇ……



………あっ、皆様…大変見苦しいとこをお見せして、すみません

私は、この糞!王子のお守役兼執事をさせていただいてます


ミーケと言います


別に皆様と親しくなりたいと思ってはいないので覚えてもらわなくて結構です」







イケメン執事……ミーケは、ルト王子を掴んでいる手を離すとこちらを向きニコッと笑ってきた


だが、目は笑っていなくて
まるで……


俺に近づいたらどうなるか分かってんだろうな……


と言っているように思えてくるような笑みだった