そこには、君が







「ちょっと来て」





「は、はい…」






怖い顔をした人が、


私の目の前に現れる。


どこかで見たような人は、


友だちであろう人を


引き連れている。


誰だっけ…この人…







「いい加減にしてくれない?」





「えっと…何のことで?」






女の人はすごく怒っていて、


私は状況を理解出来ずにいる。


ちょっと、待って。


この人、確か。


思い出した。






「京くんはあんたのものじゃないのよ!」






肩を押され、


尻もちをつく寸前に思い出した。


この人、京也の今カノだ。






「いったたたたぁ…」






手のひらには擦り傷。


お尻はジンジン痛みが。


こんなこと、


今までも何回かあったっけ。






「京くんから離れてよ!」





「いや、離れてって言われても…」






毎回こうして囲まれて、


なぜか関係のない私がやられてる。


ほら、今回もやられてる。


何で私なの。







「あんたがいるせいで、京くん相手してくれないの!」





「…はい?」





「休みの日も、放課後も、あんたが誘うんでしょ!京くん言ってたんだから!」






待て待て待て。


要するに、京也は


私を理由に断ってたってわけ?


しかも嘘なのに。


ていうか、京也、


後で覚えてろ。