そこには、君が







次の日、


少し待ってみたけど


いくら経っても現れず。


1日だけの気まぐれかと、


少ししょげていた時。


心地のいい音を聞いた


2日後の土曜日。


聞こえた音が、


サックスの音色だった。


目を凝らして見ると、


不確かながら同じ人。


顔も知らないその人は、


バスケもやって、サックスもやるのか。


それにしても、この音色、


素敵すぎやしませんか。





「やばい…」





いつの間にか、私は、


見知らない彼の虜になった。


バスケとサックス。


2つの音を奏でる彼は、


次の日、スケボーを簡単に


転がしていた。


陽気な音楽を一緒に鳴らし、


体で音を伝えてくる。


はじけそうなくらい、


飛び回る姿を見た時。


もう苦しくて仕方なかった。


彼は知らない人。


そんなの、もうどうでもよくて。


いつの間にか、公園にいる彼は、


私の気になる人となっていた。


このことは誰にも言ってない。


私だけの、秘密であり。


私だけの、お楽しみ。