「来い」
大和は私の手を引くと、
そのまま教室へ戻った。
そこには先生がまだ来ていなくて、
クラスメイトがガヤガヤと遊んでいる。
「あ、明香…と、え、怒ってる?」
「大和、どうしたんだよ。お、おいって…」
大和は私の手を一切離さず、
そのまま自分のカバンと私のカバンを取ると。
「帰ったって言っとけ」
凛にそう言った。
凛も京也も訳が分からず、
自席で座ったまま動きはしなかった。
「大和!ねえ!待って!」
幸い校舎を出るまで誰にも会わず、
先生にも止められることは無かった。
私は強引に引っ張られながら、
必死に声をかける。
「あんなの無視しとけばいいじゃん!」
いつもの大和だったら、
微塵も相手にしないはず。
「黒田くんのことなんて、放っておけば、」
「貸せ」
黙々と歩き続け、
マンションのエレベーターに乗る。
「え?」
「鍵!出せ!」
怒ってる大和に何も言えず、
黙って鍵を渡すと、
家の前に着いてそのまま
乱暴に鍵を開けた。
「あっ…ちょっと、!」
靴だけはしっかり脱いだ大和は、
私との荷物を2つ投げると、
私の寝室に連れて行き、
押し倒される。
「大和…怒んないで、」
「黙ってろ」
そう言いながら私のブレザーを脱がすと、
カッターシャツのボタンを開け出す。
待ってと抵抗しても、
呆気なく退けられてしまった。
「んっ、い…たっ、大和、」
いつもみたいに優しくキスをすることもなく、
大和は私の肌に口付けると、
赤い印をたくさん付けた。
私は怒りに狂った大和を必死に抱きしめる。
全部の力を込めて、
大和に伝わるように、
必死に包む。
「大、和…もう、ごめんってば…」
どうしてこうなったのか分からない。
泣きたいわけじゃないのに。
大和を怒らせていることが、
とてつもなく辛かった。
何をしたわけでもないのに、
どうして私たちが喧嘩を
しなければならないんだろう。


