凛が泣いている時も、
楽しそうにしている時も、
理由は春太さんだった。
だけどずっと仲直りするまで話し合ってたし、
何があっても逃げることなく、
凛と向き合っていたから。
好きだという気持ちも全部伝わっている。
「凛は俺を信じるために自分に言い聞かせてた。でも次第に、苦しそうに見えてきて、」
「苦しそう、ですか?」
私には分からなかった感覚。
もしかしたら凛は、
必死に隠していたのかもしれない。
「不安な時はいくらでも言えばいいし、責めてもいいって。そう俺が言ってるんだけど、」
この人の優しさは、
時に相手を思いやるが故に
しすぎているのかもしれない。
「もう、見ていられない…」
「春太さん…、」
優しいが故の悩み。
潔白なのに疑われて辛い気持ちも、
疑いたくないのに不安になってしまう気持ちも、
嫌ほど分かる。
信じるってことが、こんなにも難しいなんて。
「俺は本当にやってない。でも証明する術がない」
春太さんの表情が暗い。
目が潤んでいる。
相当辛いのが見て分かる。
「でも…、好きなんですよね?なのにどうして。凛も春太さんのこと、好きだし、」
「好きだから、別れなきゃって思うんだ」
顔を上げた春太さんの瞳が、
真っ直ぐすぎた。
意志が固いんだ。
それほど凛を想ってるんだ。
「好きなのに…、私には、理解出来ないです」
本当の気持ちだ。
好きならどうにか出来ることだってある。
話し合って、訴え続ける方法だっていくらでもある。
なのに、どうして。
「もう苦しめたくないんだ」
「春太さん…」
そうやって言いながら、
声が震え、目から涙が溢れていた。
春太さんが悪いわけじゃないのに。
悪いのは…。
徹平だということは分かっていたが、
考えないようにした。
全てが運命で決められていることなのだとしたら、
私が凛と友だちになったことも、
徹平と春太さんが友だちであることも、
全部運命のせいだ。


