そこには、君が






なんて言ってその場を離れれば良いか


分からず、私は盛り上がっている3人を


横目に、黙って部屋を出た。


どこで話しても、会話が聞こえるような気がして、


音を立てずに玄関のドアを開けた。







「…はい、」






『もしもし、こんばんは…、春太です』






静かに紡いだ名。


凛の彼氏の、春太さん。







「何で、私に…?」






『今、凛に話すよりも明香ちゃんに伝えたいことがあって』







私に伝えたいこと。


それは間違いなく凛の話だろう。







『明日、時間ある?』






「えっと…、ありますけど」






『夕方少し時間もらえない?話したいことがある』






いつもと変わらず、落ち着いている春太さん。


私は分かりました、と承諾し、


場所はメールするという言葉を聞いて、


電話を切った。


私に話したいことって、何だろう。


想像がつかないが、


凛のためにも話を聞くしかなさそうだ。


その後、母親からの電話だと言い、


しれっと3人のいる場所に戻った。


誰も疑うことなく、


凛にアドバイスを送っている。








「凛ちゃん、送ってくよ」






「…ありがと」







少し泣き止んだ凛は、


帰り道が同じな京也が送って行った。


残された私たちは重い空気に包まれる。


納得していないのか、


大和は終始無言のまま、


ソファに座り込んでいた。