『憎しみの少年、哀しみの少女』


淀む白銀の蒼空-ソラ-
地平に狂い咲きの華
あの日の屈辱を見据える
一人の少年

陰-ジブン-を連れて歩く
小さな掌に願う
哀しみの涙を流した
一人の少女

二人は深い森の中、慄(わなな)く
何の目的も無いままに
そして、邂逅(かいこう)する
玲瓏(れいろう)の光に導かれて
濫觴(らんしょう)はここから…

掩蔽(えんぺい)な少年に
嫣然(えんぜん)な少女
それでも二人は
分かち合いながら共に
開闢(かいびゃく)を待つ…



艱難(かんなん)な道 越えて
軋む木々の影に和む
嗜虐(しぎゃく)に現など抜かす
残虐な少年

嗜好(しこう)を待ち孜々(しし)する
散らばる夢-カケラ-を拾って
悽愴(せいそう)し浮かべた詩歌を
詠う少女

二人は深い海の中、見つめて
探るように手を絡め合い
だけど、躊躇(ためら)うんだ
衷心(ちゅうしん)は迷いこんだままで
痛痒が増してく…

殄絶(てんぜつ)なこの世界
纒綿(てんめん)な世界で
それでも二人の
我儘 通らないなら
輩(ともがら)を待つ…


徘徊(はいかい)する度に
嘆き、足掻いてく
儚いということ
それは、瘢痕(はんこん)だ…

少年と少女はまた歩き出す…

嫣然(えんぜん)な少年に
掩蔽(えんぺい)な少女
それでも二人は
分かち合いながら共に
開闢(かいびゃく)を待つ…

殄絶(てんぜつ)なこの世界
纒綿(てんめん)な世界で
それでも二人の
我儘 通らないなら
輩(ともがら)を待つ…

反駁(はんばく)の意思のままに…