だって、本当に彼の事が好きな人間は気が気じゃない。 彼は背景に大輪を咲かせたような美女と二人きりでホテルに入っていった。 あの子誰だろう――… 綺麗な人……。 今すぐ駆けて行って“この人誰?”って問いたい。 多分、ニッコリ笑って“友人”って答えるんだと思う。 「樹ちゃん、大丈夫……?」 里奈さんは樹の顔を覗き込んで心配そうに尋ねた。 樹はハッと我に返り、ニッコリ笑って「平気」と一言答える。