それまでカラーに見えていた景色も、まるで色を失ったかのように暗く見える。 それから数日がたち… 噂はみるみるうちに広がり、1週間後には全クラスに広まったようだった。 土井くんも何か聞いたのだろうか、ぱったり話しかけてこなくなった。 あたしは友達も、好きな人も、全て失ってしまった。 もう何もかも信じられなくなり、 何を信じていいのかも分からなくなったあたしに優しく声をかけてくれたたった1人の女の子。 …それが陽菜だった。 「梨子。大丈夫?」