すっかり調子に乗ったあたしはもう1言、倉本くんに向かって問いかけた。



「いつもこの時間にここ通るのー?」



「………」



だけど、案の定無視。


それでもあたしは満足だった。


だって、最初はあんなに無視られてたんだよ?



(1言目で返してもらえるなんて進歩じゃん!)



なんて前向きに考えながら、陽菜を待つ。


今日はなんとなくいつもより早く家を出たんだよねー。