「倉本 翔太(くらもと しょうた)。中3。あんときは…悪かったな」 そうぶっきらぼうに告げ、彼…倉本 翔太くんは去っていった。 …喋った。名前教えてくれた…。 さっきまで落ち込んでいたのが嘘だったかのように、あたしの心は嬉しさと喜びで満ち溢れていた。 たくさん無視されたことの悲しみより、最後、少しだったけど話をしてくれたという喜びの方がはるかに大きかったのだ。