「……梨子。お化け屋敷そんなにだめなのか?たかが文化祭の出し物だろ…」
「たかがじゃないでしょ…お化け屋敷はお化け屋敷だよ。文化祭でも何でも怖いものは怖いの!」
逆に平然としている皆の方がおかしいと思うんだけど。
そんなことを思っていると、璃玖が突然あたしの頭にポンッと手をのせてきた。
「そうだよな。梨子、ごめんな?気を取り直して何か食べ物探そーぜ」
---ドキッ
あたしは自分の顔が赤く染まるのが分かった。
(な、なんで璃玖にドキってしてるの)
璃玖があんなことしたからだよね。
きっとそうだよ。
半ば無理やり自分をそう納得させる。
「どした?ほら、早くいこーぜ。何食べたい?」
そんなあたしの思いを知ってか知らずか、あたしの顔をのぞき込んでそういう璃玖。



