ところどころしか聞こえないけど…


梨子が言ってるのはたぶん《過去》の事。


…だから泣いてるんだ。でも、なんで急に?



(行かなきゃ)



そう思って、足を踏み出そうとしたその時。


--東城くんが優しく梨子を抱きしめているのが見えた。



(…なんだ。陽菜の出る幕じゃないじゃん。良かったね、梨子)



そして陽菜は元来た道を歩き始める。


中学の時からうすうす気づいてはいたけど…


やっぱり東城くんって…。