土曜日だし、暇だから梨子の家に行ってみよーとアポなしで行ったのはいいんだけど。
…どうやら先約がいたみたい。
諦めて帰ろうと思い、背を向けて歩きだそうとした時…
梨子の泣きじゃくる声が聞こえた。
びっくりした陽菜は帰ろうとしていた足を止め、様子を見ることにした。
(なんで梨子泣いてんの?東城くんが泣かせるとも思えないし…)
そう思い、耳を済ましてみると、ぽつぽつと梨子の声が聞こえた。
「…から…いくの…っ。1人…くらいなら…また独りぼっち…恋…したくない。
……1人になりたくないよ。…好き…。教えてよ…。…たしは…いいの…っ?」