はぁ… 溢れてくるのはため息ばかり。 あの男が花火大会に来るっていう確たる情報なんて、何にもない。 分かってる、分かってるんだけど、どうにも不安で仕方がない。本当に大丈夫なのかなぁ~。 結局、あたしなりの結論が出ないまま、花火大会当日を迎えた。 …奈穂に相談してみよ。時間にはまた余裕がある。 そう思い、奈穂に電話しようとすると… え…⁉︎ ディスプレイには、浦上 健の文字。た、健から電話…⁉︎ いったい何だろう? 鼓動が一気に速くなるのを感じながら、通話ボタンを押す。