流くんとのキスシーン、なんだか何も感じなかった。
役として感じたものはあったと思うけど、私自身としては何も感じなかった。
勿論、キスシーンは初めてだった。
でも、キスは初めてじゃない。
初めては、悠太になった。
あんな形でキスをするとは思ってもみなかった。
今思い返しただけでも、心臓がドクドクと早く脈を打ち始め、悠太のあの表情を蘇らせる。
ドキドキした反面、悠太の気持ちに戸惑いと疑問が生まれていた。
悠太が言いたくて言えなかった気持ち。
問いかけられて、薄々気づきはした。
悠太は、私のことが……好き?
たったその2文字を、悠太は決して口にすることはしなかった。
もし、あのときはっきりと伝えられていても、私は決断することが出来なかったと思う。
もう一度、悠太の口から気持ちが知りたい。
私の気持ち……?
そう、そうだよね
私は……私は……
私は……わからない


