「今日は、テスト最終日だ。もうすぐ夏休みだからって、まだ浮かれるなよー。赤点取った奴は夏休み、みっちり補習だからな」




はぁー、と気だるそうなみんな。




今日は、夏休み前のテスト最終日だ。




私も、今回は少し危ない。




けど、赤点だけは取らないように頑張らないといけない。



うん、ギリギリまで復習したし、大丈夫!




机に突っ伏す悠太を横目に、私は気合を入れていた。



テスト独特の、ピリピリとした静けさの下、蝉の鳴く声と、シャーペンでカリカリと回答を書いていく音が耳をくすぐる。





「うーっ!やっと終わったー!」




テスト前は、アレだけ項垂れていた悠太も、終わった途端コレだ。




テストだけの今日は、お昼を食べることなく帰宅する。




けれど、私達は違った。





「さ、撮影だ……。今日だけは行きたくない。サボりたい。あんなシーン要らないよ……」




「ダメだよ。仕事はちゃんとしなくちゃ」





けれど、今日の撮影、かなり不安だ。




だって、私にとって人生で初めてのことがあるから。





仕事、仕事だよ……




割り切ってしまえればいいのに。





初恋だってまだなんだよ?





初めては好きな人とが良かったな





ああ、緊張する






き、キスシーン………