今まであまり伊津希にいの話を出さなかったけど、千代の「はとこ」である伊津希にいは世界的にも有名なんだ。
そんな伊津希にいを、千代は親しく思っている。
その思いが、ただの憧れなのか、それとも恋なのかは本人にしか分からない。
出来れば、前者であって欲しいと全力で思いたい。
ってか、折角千代と楽しい「デート」出来たと思ったのに、最後の最後で伊津希にいに持っていかれるなんて……
なんだか、いつも邪魔ばかりが入る。
あー、もっと千代といたい
もう、埃になってでもいいから、千代にくっついていたい
「おい、悠太」
「……え、なに?」
不意に、隼人くんの声が耳を通った。
「さっきから呼んでるだろ。てか、前見ろ、前」
そう言われて前を向くと、困り果てた様子の記者さんが返答を待っていた。
そうだ、今はインタビューの途中だったんだ
「あー、えっと、もう一度言ってもらって良いですか?」
周りの皆も、僕に異様な視線を向けていた。
「今、一番大切にしているものは何ですか?」
大切にしているもの……それは勿論「千代」だけど、流石にこの場で言えるわけがないよね
「……時間です。最近は、沢山仕事を貰えるようになって、オフの日も減ったので、少ないオフの時間を有効的に使うことですかね」
千代とゲームしたり、千代のご飯食べたり、千代と話し込んだり……
「なるほど。ありがとうございます。では、次の質問ですが____」
「っはー、このあとの予定って何だっけ?」
「この後は、新曲のPV撮影だな」
「それで今日は終わり?」
「あぁ」
「よっしゃ、じゃあ終わったら大学の女の子達と遊ぼー」
「……」
「ん、何か言ったか?流」
「いや、何でもない。ただ、PV撮影にどれくらい時間がかかるか分からないから、遊ぶなら1人で遊べ。夜になっていきなり連絡入れたら、その友人に迷惑がかかるだろ。だから、代わりに俺が付き合う」
「えー、流じゃつまんなーい。俺はワイワイ遊びたいの!」
「はぁ……なら、勝手にしろ」
「てか、PV撮影そんなに時間かかんの!?」
「まぁ、もうそろそろ夕方だからな。長引けば外も暗くなるだろ」
そんな2人の会話。
流くんは、口調は淡々としているし、冷たい感じはするけど、ああ見えて意外と圭くんのことを心配しているんだ。
「学校、行きたいな……」
「そんなに千代ちゃんに会いたいの?」
「そりゃあ……って、いきなり何!?」
「悠太くんが独り言言ってるからさ」
声に出てたんだ……
「だからって、突っ込まないでよ!」
「えー」
「全く。僕をどうしたいわけ?てか、拓巳くんは何がしたいの?」
よくちょっかいかけてくるし
「さあ?どうだろうね。俺は悠太くんのことも千代ちゃんのことも好きだから」
「何それ、答えになってない」
「膨れない膨れない。可愛い顔が台無しだ」
「可愛いとか、全然嬉しくないし」
「ははっ、今のは冗談。悠太くんはかっこいいよ」
「むぅ……」
拓巳くんはいつもこうだ
ああ、モヤモヤする


