ピザを待っている間に言おう。




「あのね」



「ん?」



「私____」



「私?」



「私、好き」



「ピザが?」



「ち、違う!」



もう……気づいてよ




「悠太のことが、好き……なの」




「僕のことが……って、えええ!?」



悠太が奇声を上げた。



「そ、そんなに驚かなくたっていいじゃない」




「い、いつから!?」




いつから……なんだろう。



「はっきりとは分からないけど、自覚したのはお祭りの日……かな」




「っ」



「でも、もう随分前から好きだったのかな」



「ねぇ、今凄く抱きしめたい」



「え?」



「……もう!」



悠太は、私の返事を聞かずに抱き締めた。



「ゆう……た?」



「両思いってことで良いんだよね」



「うん、そうだよ」



「やっと通じた」



「不安にさせてごめんね」



「本当、千代はふわふわしてるし、不安で不安で仕方なかったよ。本当はね、千代が選んだ人なら例え圭くんだろうと応援しようと思ってた」



その声はどこかか細くて、胸が締め付けられた。




「まあ、なんだかんだとそうさせまいとあがいてたけど……」




「もう、大丈夫だから」




悠太は体を離すと、一息ついてこう言った。



「もう一度ちゃんと言わせて」



私はコクンと頷いた。





「僕、千代のことが好き」










「私も、悠太が好き」





人の心は時に曖昧で不完全なものだ。




自分心でさえぼんやりとしていることもある。




けど自分自身が気づいてあげなきゃ。