イライラする
モヤモヤする
泣きたくなる程に





抑えられない感情をただひたすらに文字にして綴る
私は自分の感情が抑えられない時にはこうして携帯のメモアプリを使い小説を書いている。




ノートに書いてもいい気もするが、如何せん
ノートでは上手く文章を作れない。





字はぐしゃぐしゃ、列は乱れ、涙で滲む文字
。何が書きたかったのかさえ分からなくなり余計にイライラするだけだったから。




携帯なら文字がぐしゃぐしゃになることも、列が乱れることもないし、直ぐに文字をアプリに刻められるし、ペンがなくてもいい。




そんな便利なアプリを使い、慣れた手付きで文字を打ち込み、ただひたすらに小説を書いていく。



今日は雨だった。
快晴だと散々言っていた気象庁の天気予報ははずれ、12月の寒さで凍える朝の中、思った以上の強い雨が降っていた。もちろん制服は濡れたし
傘なんてないに等しい。




私は雨が嫌いだ。服は濡れるし、冷たいし、空は厚い雲が重なって折角綺麗な青空を隠してしまうし




自然と自分のテンションまで曇り気味になって行く。





更に今日は体育があった事をすっかり忘れ、体操着を持ってきていない。
体育館での見学は退屈で仕方なかった。





この時点で気分は更に悪くなった。
自業自得だけど、気分は下がるばかりで





やっとの思いで授業を終えて帰ろうとした時だった。
担任に渡された1枚のプリントが更に私の気分を悪くした。






『河野、お前だけだぞ提出していないのは』

それは進路希望の調査表。
薄々気付いていたが出していないのはクラスで私だけだったらしい。




『すみません。まだ書けていなくて……締切いつまでですか』




一番私の嫌いな話
さっさと済ませたくて口調は自然と早口になった。



『河野、沢山悩むのは仕方ないし私もお前の頃はなかなか決まらなくて大変ではあった、

ただそろそろ決めないともう時間はないぞ。それと、締切は先週の月曜日だ、意識が足りないんじゃないか?明日には提出するようにな。』






先生は早口で言うと進路希望の紙を私に押し付ける様に渡し颯爽と教室から出て行った。




そして渡されたプリントをバッグに入れた私は早歩きで自宅に向かう。




そして今に至る。






イライラする
モヤモヤする
泣きたくなる程に

抑えられない感情ををただひたすらに文字にして綴る


そして私は抑えきれなくなってその手を止め、携帯を床に叩きつけた。




分かってる
俺だけいつまでも悩んでるのも
悩むくせに意識が足りない事も




高校受験の時もそうだった。
進路を決めたのも本当のギリギリだった。

高校三年、河野亜優美
趣味は読書
特技は特になし
家族は私と弟の翔と母親の3人暮らし。




私がここまで進路意識がないのには原因があった