「どうしたのよ、柚乃。
元気ないじゃん」



「沙耶ちゃん……」



学校について机に突っ伏していたら、
いつの間にか沙耶ちゃんが来てたみたい。

教室に着いたときは私1人だったけど、
今はもう結構人が集まってた。
気づかなかったな…。



「どうかしたの?って言っても、
王子のことだろうけど」



…図星だよ、沙耶ちゃん。



「先輩が変なんだって…」



「変?」



「うん、詳しくは分からないけど
樹先輩が言うんだから変なんだと思う」



「何か言われたりはしてないの?王子から」



首を横に振ると、そっか…と
沙耶ちゃんが呟いた。



「聞いてみていいんじゃない?」



「え?」



「待ってるのが本当は良いのかもだけど、
なんせ時間がないでしょ?
受験だって控えてるわけだし。

…うん、そうしな!!今日、聞きな!」



沙耶ちゃんがそう言い終わった瞬間チャイムが鳴って、

沙耶ちゃんは席に戻った。



……聞いて、みようかな。