「まずい! 止まってる場合じゃなかった! 行くぞ、折原!」
「う、うん……!」
別に逃げなくてもいいかなって、一瞬そう思ったりもしたけど。今は……彼と手を繋いでいたいと思った。
私のペースを乱してばかりだけど、私が望むものを見せてくれる彼の手を。彼と一緒なら、夢が叶うその日まで飛んでいけそうな気がしたから。
「おい、待てって!」
「待たないっつうの!」
「待ちません……!」
「折原まで朝倉みたいなこと言うなよ!」
先生の呆れた声が聞こえたけど、二人でそれを笑って交わしながら走り続けた。
手を繋いで、真っ直ぐ前を見据えながら。
□ □ □
――いつか私達は、この日紙ひこうきに託して未来へ飛ばした夢に辿り着くのだろう。
その道のりは夢を探した日々よりも長く、険しいものなのかもしれない。
だけど、楽をして掴んだ夢じゃつまらない。
苦労して悩んで手に入れるものだから、きっと輝かしいと思える夢になる。
そうなるように、手が届くその日までは頑張って追いかけられるように遠くで待っていてほしい。
私は私のペースで、必ずそこに辿り着いてみせるから。
――だから。
高く、高く飛んで行け。
どこまでも遠く、私達の可能性を生かせるその場所まで。
【end】



