「何? また意外そうな顔してんね。俺になんて無理な夢だって思った?」
「ううん! そんなこと思うわけないよ! むしろ……すごく朝倉くんに向いてそうって思った!」
確かに聞いたとき、驚いたりもしたけど……。それは決して、マイナスな意味ではない。
朝倉くんが朝倉くんらしい夢を持っていることに、感嘆したってことだ。
「朝倉くんだったら、きっと生徒に寄り添ってくれるいい先生になるだろうなぁって思ったの。ほら今、私にだって寄り添ってくれたから」
最初はただ、朝倉くんのペースに乗せられて自分のペースを崩されたのだと思っていたけど……。きっとそうじゃない。
二人のペースを混ぜ合わせて、いつしか打ち解けるように彼が仕向けていた。
そんな、人の心にも入り込みやすい朝倉くんだからこそ……。先生を頼りにしている生徒に寄り添うってことを、きっとしてくれると思うんだ。
……まあ、朝倉くんの場合、生徒に近づきすぎて一緒になって騒いだりしてしまいそうだけど。
それに今みたいに校則違反しまくりの姿では、ちょっと格好付かないけどね。
「……やべぇな、なんか照れる」
「えっ?」
「いや、気にすんな。それより折原の、好きな教科は?」
先生になった朝倉くんはどんな姿だろうって思いを馳せていたら、なぜか赤面して質問の答えを急かされてしまった。でもそうだった。好きな教科について考えていたんだっけ。
思考を切り替えてうーんと首を捻る。



