秘密のカレはV(ヴィジュアル)系

シュバルツはもうすぐ再始動する。



この一年の充電期間のおかげで、以前よりもっと素敵なライブを見せてくれるに違いない。



人として、一回り大きくなった瑠威のヴォーカルは、きっとさらに熱いものになるだろう。



「わ、私…またライブに通います。
ね?望結…?」

「うんうん、必ず行くよ!」

私とさゆみは顔を見合わせて頷き合った。



「よっしゃあ!それじゃあ、今度はシュバルツの再始動を祝って乾杯しようぜ!」

皆が、手元のグラスを持った。



「シュバルツの再始動を祝って……かんぱーーい!」

オルガさんの声を合図にみんながグラスを合わせた。



「かんぱーい!」

「シュバルツ、ばんざい!」

「歌いまくるぞーーー!」



これからもシュバルツの歴史は続く…彼らに魅了されたファンがいる限り、ずっとずっと…



そして、こんな年になって、私が「お姉ちゃん」になることを、この時の私はまだ知る由もなかった…



~Fin.