秘密のカレはV(ヴィジュアル)系

「ね?望結…望結も本当はシュバルツのファンなのよね?」

こんなところでそんなことを言われたら、白状するしかないじゃない…



「えへへ…」

まずは笑って誤魔化そう…



「実は、何度もライブにも行ってたんだぁ…」

「マジ?でも、全然気付かなかったけど…」

「そりゃあそうよ。
私、変装してたし、いつも後ろの方で見てたし…」

「変装…!?」

瑠威はかなりびっくりしてるみたい。



「なんで、変装してたの?」

オルガさんがそう言って私をじっとみつめる。



「え?えっと…その…
瑠威にバレると、なんか恥ずかしいから…」

「恥ずかしいって…変装してくる方が恥ずかしいんじゃないのか?」

「え?そ、そうかな?」

みんながにやにや笑うから、私はだんだん恥ずかしくなって、そっと俯いた。



「でも、嬉しいよ。
ライブに来てくれてたなんて…
望結は俺達みたいな音楽は嫌いだって思ってたから…」

「そ、そんなことないよ。
シュバルツは見た目も格好良いし、曲も大好きだし…ねぇ、さゆみ?」

「そ、その通りです。
だから、瑠威さんが引退されるのはすっごく寂しいです。」

「はぁ?俺は引退なんてしないぜ。」

「えっ!?……で、でも…」

私もちょっとびっくりした。
瑠威は結婚して、家業を継ぐとばかり思ってたから…
でも、一体どういうこと…!?