なんて思いながら、その人の隣を通り過ぎようとした時、ガシリと腕を誰かに握られた。


「へ?」

「お前さっきステージにいたやつだよな?」

「は、はははははい。」

「ののかと知り合いなのかよ。」



掴まれた相手はさっきのソワソワしていた人。
なぜあたしはこんなにも脅迫じみた態度をされているのだろうか。




「あいつ!!何でだよ!ムカつくわ!!!」

「なんで切れていらっしゃるのでしょうか!!」



その怒りをあたしに向けないで頂きたい!

彼は黙り込む。
それは城ヶ崎さんの歌を集中して聞いているから。

そんな彼の腕はまたあたしを離さない。

お願いだから解放してくれ。