膝横でゴトン、缶ジュースが落ちる。
右下でチャリン、お釣りが落ちる。
目の中でキラキラ、星が落ちる。
───心がストン、恋に落ちた。
頬がじわり、熱くなる。
「っ、それ、です…」
そしてやっと返事を返せば。
彼は息を切らしたまま、安堵したように呟くように、私を上から見下ろして「ははっ、良かった」って笑った。
目の中の星の、瞬きが止まらない。
心臓のどきどきに比例するみたいに、止まらない。
眩しくて恥ずかしくてどきどきして直視していられなくて、彼から目をそらした。
ああ、だって、もう。
────────好きだ。
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☆
いつも通りだと思って、
廊下を歩き始めてから、
30秒後。
────私の世界に、星が散った。


