「──っ、」
彼が初めて私に向けて放った言葉。
なのに、もったいない。
返事も、出来ない。
ただ、見開いた私の目の中いっぱいに彼が映る。
───こんな、都合のいい事。
……起きて、しまった。
ああ、なんだか泣いてしまいそうだ。
───君が私を見つめる理由。
もう、自意識過剰になるしかないよ。
私の中にあった淡い想いが加速する。
どこにいたって、どうしたって、私が彼を見つけてしまう理由。
確信して。
溢れて。
気づけば、見開いて、彼を捉えた目の中に。
───キラキラ、星が散っていた。
いや、本当は星なんか散ってないけど。
だって、どう表したらいいんだろう。
───どうやったって彼が、キラキラ輝いて見える。


