【短】30秒後、星散るセカイ





──紛れもなく、
さっき頭に浮かべてた“彼”。





どうしようもなくて、目を見開く。



彼が、息を整えるために下げていた顔を、上げて。




至近距離で初めて目線がぶつかった。



推定、15センチ。





彼は、15センチの距離の中。



私の震える心臓も、知らないで。







「───これっ、すよね?」






緊張と、整えきれていない呼吸の苦しさを顔に浮かべながら。


でも、はにかんだ笑顔で、言った。