【短】30秒後、星散るセカイ



そして、ポツリ。


「違ったかぁ」


苦笑いと一緒に独り言を溢した。





だって、無意識に期待した。




話したことすら、ないけれど。


お昼休みのこの時間。


自動販売機にいく時に通るこの通路の、右側。


新入生のクラスが並ぶその場所で、いつも友達と話しながら廊下にいて。


…て、あ、今日はいなかったけど。




────いつも目が合う彼かな、と。


私を見つめる、彼かな、と。




無意識に期待していたのだけれど、違った。