部活を終えて、更衣室でジャージから私服に着替えていると、兄からLINEが来た。




マッシー【コーギーでフリースタイルバトルに参戦。応援を求む】



雛子【なんで?】



マッシー【付属情報だが、七倉も出る】



雛子【絶対行く!】



マッシー【お兄様との扱いの差。兄は悲しいぞ】



兄はどこで手に入れたのか、どよーんと落ち込むトマトのラインスタンプを送って来た。



いじける兄。けど、そんなことに構ってる暇はない。



七倉さんがバトルに出場するなら、急いで応援に行かなきゃ。



LINEのやり取りをしながら、呆れたり、笑ったり、慌てて荷物をまとめる私を、横峰さんはジッと見ていた。



「彼氏?」



背筋がゾクッとするような冷たい声。



そんな彼女を不思議に思いつつ「兄から」と答えると、横峰さんは硬く強張った表情を緩めた。