「私のこと、重荷になっていませんか?」



思いきって質問する。



すると七倉さんは、惚れた私が、もっと惚れ惚れするような蕩ける笑みを浮かべた。



「雛子ちゃんが与えてくれる重荷なら、俺は喜んでその荷物を背負うよ。
喜びも痛みも、ぜんぶ雛子ちゃんと分かち合いたい。それが俺の幸せだから」



果てしなく、広大な心に圧倒される。



私の好きな人は。



目の前で、私を愛していると宣言するこの人は、なんて大きな存在なんだろう。



七倉さんの心を抱き締めるみたいに、私は七倉さんに抱きついた。



ドクドクと規則正しく脈打つ、七倉さんの鼓動が聞こえる。



余計な言葉は何もいらない。



ただ七倉さんを感じていたい。



七倉さんは、そんな私の背中に腕を回して、包み込むように抱き締めた。