Soul Lovers2~あなたの笑顔を守りたくて~




「相変わらず初心だね。真下さんは」



手を口に当てて、おかしそうにそう言った菅君の顔を、恥ずかしくて真っすぐ見れない。



「まったく、七倉ハルは何やってんだか」



そんな私の隣で、菅君はぼそっと言った。



「え?」



突然の七倉さんの名前に、きょとんとする。



もう菅君の顔は、笑っていない。



菅君はしょうがないなって顔をしながら、私の頬にかかった髪の毛を指で払った。



頬に触れた指先の温もりに、ドキッとする。



「胸の内のもやもやは、七倉ハルに聞いてもらいな。もう俺は、聞いてあげることはできないから。
何もかも『大丈夫』って飲み込まないで、素直に甘えてごらんよ、七倉ハルに」




菅君が、トンと背中を押してくれたような気がした。



菅君の言葉に、立ち上がって「ありがとう」とお礼を言うと、駆け出した。